ザオウーキーのお花の絵へのあこがれ

    ザオウーキーのお花の絵へのあこがれ

    Zao Wou-Ki's longing for flower paintings

    技法
    オフセット
    付属書類
    当画廊発行「販売証明書」

    220,000円(税込)

    ※ 送料別途2,500円(税込)

    No.2504-016

    作品解説

    涙の先にある笑顔を描く──色彩の花が語る絶望を塗り替える笑顔の物語 笑顔に秘めた祈りの花 「かわいい」だけでは終わらない 眩しいほどの色彩と、無邪気に微笑む花々。その愛らしいビジュアルに、誰もがまず心を奪われます。しかし、村上隆の《フラワーボールシリーズ》は、ただの「かわいい」では終わりません。その一つひとつの笑顔の奥に、深い歴史と人間の感情が刻まれているのです。 村上隆が「花」のモチーフに初めて向き合ったのは、戦後日本が歩んできた道に対する彼なりの問いかけからでした。彼がこのシリーズに込めた原点は、1945年の広島と長崎に落とされた原子爆弾──圧倒的な絶望と死がもたらされた出来事から「人はなぜ笑えるのか」という哲学的命題を突きつけられたことにあります。 「現代美術」と「消費文化」の融合 《フラワーボール》は、直径約70cmの円の中に、無数の“笑顔の花”がぎゅっと詰め込まれた作品。遠目にはポップで陽気、近づくと一つ一つの表情が微妙に違い、そこに「笑顔の仮面をかぶった涙」のような陰影が感じられる構成です。画面全体に躍動する色彩の調和、その裏に潜む“祈り”こそが、現代アートとしての深みを生んでいます。 この作品が創作された2000年代初頭は、村上がニューヨークを中心に国際的な評価を高めていた時期でもあります。草間彌生、奈良美智といったアーティストと並び、村上隆もまた「ジャパニーズ・スーパーフラット」の旗手として世界のアートマーケットで注目を集めていました。2003年にはルイ・ヴィトンとのコラボレーションで世界的な脚光を浴び、「現代美術」と「消費文化」を融合させたその手法は、時代の先端をゆく挑戦として賞賛されました。 笑顔とは、絶望を超えて生まれる祈りのかたち 彼が影響を受けたアーティストのひとりに、アンディ・ウォーホルがいます。大量生産と美術の融合というポップアートの手法に、日本の伝統的な装飾文化やアニメ・マンガの文脈を重ねあわせる──それが村上隆の美学の根幹です。また、村上自身が研究した江戸時代の絵師・尾形光琳からも、構図のリズム感や装飾性を取り入れています。 いまや彼の作品は、世界の一流オークションやギャラリーでも高い評価を受け、資産価値の高いコレクションとしても知られています。そして、この《フラワーボールシリーズ》は、その中でもとりわけ人気の高い代表作です。 「笑顔とは、絶望を超えて生まれる祈りのかたち」 この作品は、時代を越えて、静かに、そして強く語りかけてきます。

    村上隆

    TAKASHI MURAKAMI

    村上隆(1962年生)は、日本の現代美術家・ポップアーティスト・映画監督で、有限会社カイカイキキ代表。東京芸術大学で日本画を学び、博士号を取得。アニメやオタク文化と伝統的日本美術を融合させた作風で知られ、海外では「SUPERFLAT」展や「リトルボーイ展」などで高い評価を得る。若手支援や企業とのコラボも積極的に行い、カニエ・ウエストのアルバムアートやビリー・アイリッシュのMV制作にも関わった。炎上商法を活用するなど、話題性と戦略性に富む人物でもある。

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    村上隆の作品

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